汲めども尽きぬ知恵の泉

「武器はこの身ひとつ」を目指して

【書評17】『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』藤由達蔵|成功する人間の共通点は「行動力」

 

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 この本の主張はシンプルだ。

「行動する者だけが人生を変えられる。より良い方向に持っていける。」

10秒以内に動け」

 

 ただ、考えること、学ぶことができても、それを実際に行動にできる人はごくわずかだ。また、理解しても、それを現実の行動に起こせなければ理解していないことと何も変わりはない。

 

 そもそも人間には現状を維持していたいと思うクセがある。それがどんなに苦しくて、逃げたくても。それは、何か新しいことをするのには、精神的にもエネルギー的にもコストがかかるというのが一つの原因かもしれない。そう、慣性の法則と同じだ。動き出すのには大きな力がいる。しかし、動き出してしまえばスイスイと動いていける。

 

 これは言い換えれば、プラスにもとれる。それは、行動さえ起こしてしまえばあとは嫌でも進んでいくということだ。01にするのに比べて、15へ、20100へする方が簡単なのだ。

 

 10秒で行動を起こせるひとは、チャンスを逃さず、成功へと突き進む。さらに自分をより良い環境へと導いていける。あらゆる経験というのは、失敗からも学べることが多い。また、行動できないこと、それ自体が損失でもある

(機会損失について→書評7.行動経済学

 

 

 

即行動するためにはどうしたらよいか?それは、原因を除き、思考を改善することで自分を変えればいい。いくつか紹介していこう。

 

「時間があればやるのにな」タイプ

 まずは、自分の行動をストップさせてしまう「思考の癖」を認識することが大切だ。自分が何か思いついたときに、それをためらわせてしまうものは何であるのか?やらなければいけないことをどうして先延ばしにしてしまうのか?例えばこういうタイプ。

「もっと時間があったらなあ」

 

 このタイプは時間が増えても行動は変わらない。何か趣味を始めたいとき、読書する時間を取ろうと思ったとき、やらなければいけない仕事がある時など、行動できない人間はよくこう考える。

 

 まず、時間が有限であること、また、今のあなたが、あなたの人生の中で存在しうる最も若い瞬間であることを再認識しよう。また、そんなことで行動をおこせない人間はそもそも何かをしようという意志が弱いか、無いに等しい。

 

 対策の一例はシンプルで、今日からスマホかテレビの時間を30分削ってやりたいことに費やそう。現代人は必ずできることだ。

 

 また、与えられたタスクを完成させるための時間が足りないという場合は、今までのやり方を見直し、改善策を探そう。今までと同じやり方で何かを続けるというのは、慣れることでスピードは変わるかもしれないが、仕事量や労力に変化はない。

 

 人に頼めないか?思いついたのなら、躊躇しないで頼ってみる。また、もっと効率のいい方法でやっている人が必ずいる。自分だけの中にとどまらないことも大切だ。金、知識(情報)、他人、道具など、改善策となるツールは必ず存在する。

 

「そのうちやろう」楽観or後回しタイプ

 いつかやろう、そのうちやろう。その「いつか」は二度と回ってこないと考えた方がいい。なぜなら次思いついたときには、例えばビジネスであれば廃れているかもしれないし、決定的な機会を逃してしまったりするからだ。

 

 また、やらなければいけない仕事、宿題、レポートも、すぐやればやるほどいい。なぜなら「やらなければいけないこと」というのは、締め切りに間に合いさえすればいいかもしれないが、それを抱えている間は精神的にかなりストレスになっている

 

 思い出すたびに、鼓動がちょっと早くなるような、嫌な気持になる。「でもまだ時間あるしなあ」と、さらに不安になるし無駄なことを悩むのに時間も取られてしまう。最も合理的なのは、なるべく早く片付けてしまうことだ。合理的であると理解したならば行動あるのみだ。

 

哀しき哉、それでも難しいのが人間であるのだが。→書評7

 

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「ネガティブ思考」で行動できないタイプ

 ほかに、即行動できない人の心理には、「不安」が存在する。過去にこういった失敗があるから、という過去からの不安。これをしたら周りの人に迷惑をかけるのでは、という現在の不安。成功できるか分からない、無駄に終わるだろうという未来への不安、などなど。

 

 不安を抱いている、つまりネガティブな状態では行動をおこせないのも当たり前だし、勇気が必要となる。ただ、今抱いている不安というものは、たいていの場合行動してしまえば解決するし、実はそんなに大したものではない。

 

 他の人は、あなたの行動に対していちいち非難しないし、されたとしても一時的で、すぐに気にもかけなくなる。動いた結果、新たな障害が生じるかもしれないが、それは始める前のそれと比べて格段に軽いはずだ。さきほどの慣性の法則を思い出してほしい。

 

 また、未来についても、行動した後のみじめさを想像できる人は多い。しかし、行動をおこせずに、「同じようなことの繰り返しでこのまま一生過ごしていく方のみじめな自分」のほうはなぜ想像できないのか不思議だ

 

 同じ苦しみなら、動いて味わおう。行動することで嫌なことがあるかもしれない。しかし逆に言えば、行動を起こさないと「すばらしい体験」に出会うことは一生できない。

 

成功している人間は行動に移すまでが速い

 とにかくやってみる。考えてもいいが悩まない。即行動できるようになるまでは時間がかかるはずだが、とにかく小さなことでもいいからこの考えを実践し続けてみよう。英語が勉強してみたいと思ったら英会話を探して申し込む、有料の英語アプリを入れる。

 

 日常の些細なことを変えることから始めてもいい。食べ終えたらすぐにお皿を洗う、コンビニでご飯を選ぶのは10秒以内、思いついてしまったらすぐに行動に移す習慣を身につけよう。

 

 読みたい本ができたらすぐ本屋に行って買い、すぐ読む。自分にとってのハズレや、失敗といったモノは気にしないことだ。そのうちに何か没頭できることや人生を変えてくれるようなもの、成功へと導いてくれるものに出会える。

 

 いま成功しているといわれる人間はみな行動力が高いのだ。「バカな奴ほど成功できる」といわれるのは、後先考えずに行動できるからなのだ。せっかく与えられた人生、カオスに生きよう。