汲めども尽きぬ知恵の泉

「武器はこの身ひとつ」を目指して

暴力団はどのように稼いでいるのか?【シノギ】

 

暴力団がお金を稼ぐことを「シノギ」といいます。

警察は「資金獲得活動」という無駄に長い名前を使っているそうです。

 

警察が挙げる暴力団シノギとして、

  1. 覚せい剤
  2. 恐喝
  3. 賭博
  4. ノミ行為

 

の四つを代表としています。

それぞれ解説していこうと思います。

 

 

 

 

覚せい剤

覚せい剤と組の背景

 

 

日本国内では、取り締まりが厳しいため製造されていません。

流通しているすべてが海外で作られ、日本に密輸入されたものです

 

卸や、密輸入元など、流通を仕切っているのが

ほとんどの場合暴力団です。

 

小売りをする人は「バイ人」といい、外国人(イラン人など)が知られています。

暴力団の組員もやっていることがあります。

 

ここで問題は、覚せい剤を扱ってしまうと、

その人の上司や、属する組織が危うくなってしまうということです。

 

本人はもちろん、その組の組長などがさらに上の組や本部から破門や絶縁

あるいは謹慎処分などになったりします。

 

「え、ヤクザって麻薬取引だめなの?」と

不思議に感じるかもしれません。実際に過去、

覚せい剤を扱ったという理由で処分を受けた組や組長があります。

 

とくに大きな組になると、表向きには覚せい剤は禁止しているのです。

しかし、最近では目をつむっていることも多く、

処分されたという話はあまり聞きません。

 

その理由がやはり「利益」です。 

 

どのくらい儲かるの?

ちょっと前までは、北朝鮮製の覚せい剤が密輸されていました。

北朝鮮は外貨獲得のため国内に製造工場があるくらいです。

 

しかし何回かの発覚で取り締まりが厳しくなったため、

中国経由で来ることが多くなりました。

 

運び方も一度に大量という感じから、

旅行者に扮して持たせるなど、分散化、少量化されています。

 

さて、お値段に関しては、日本の末端価格で

「1パケ」が1から2万円といわれています。

 

1パケとはビニール袋に覚せい剤が0.3グラム入ったもので、

仕入れ価格や品薄などによって価格は変動します。

 

通常覚せい剤の使用量は1回で0.03グラムといわれており、

1パケで10回できる計算です。

 

しかしたいてい初心者で3,4回

慣れた人なら1,2回で使ってしまう量らしいです。

 

密造地での出荷価格は1g当たり200~数百円。

1kgあたりだと20万~数十万円で、最低取引量が10kgからだとすれば、

200万円ほどで出荷されます。

 

これが日本に入ってくると、中堅のバイ人で

1gが3000~15000円で取引されます。

 

仮に出荷した10キロすべてを1g5000円でさばききったとすれば

5000万円もの売り上げになります。

 

400g売れば元は取れてしまう計算です。

(まあ人件費や流通など費用は置いといて)

 

原産地の出荷価格と、消費地での末端の価格は150倍近くもあります

このとび具合が、暴力団を魅了しているのです。

 

恐喝

恐喝は暴力団の伝統的なシノギで、

簡単に言うと人を脅してお金や物を奪うことです。

「カツアゲ」とも呼ばれます。

 

脅されてお金を渡すと「恐喝」が成立し、

恐喝罪は10年以下の懲役です。未遂でもつかまります。

 

ある年では、恐喝で検挙された人のうち、

45%近くが組員だったということもあります。

 

幹部クラスになると100万近くは軽く動くこともありますし、

それ以上もいます。

 

「恐喝」という行為は、準備や元手がいらず、もっとも簡単でやりやすいという特徴があります。

 

だからこそ伝統的に行われているのでしょう。

 

賭博

賭博にもいろいろ種類があります。

ある有名な力士が行っていた野球賭博は、

本来は暴力団シノギです。

 

競馬や競艇、闇カジノのノミ行為などはほとんどが

暴力団の経営です。

 

ノミ行為を行うノミ屋とは、早く言えば

公営の競技に乗っかって自分で投票所(賭けの場)

 

 

を作っちゃう人たちのことを言います。

 

他人が人を集め、苦労して計画し、金を出して開催するものに

タダ乗りするというわけです。

 

たとえば競輪などは、主催者が売り上げの25%を国や自治体などに納め

残りを客に分配するという配分です。

 

しかしノミ屋はそんな必要がないため、

自分の分の取り分を取るだけであとはお客さんに

より配当率のいいサービスをすることができるのです。

 

また、負けた客に10%払い戻す、

かけるお金がないときは建て替えてあげるなどの

サービスをしているところも少なくないといいます。

 

こういったメリットがなければ、違法な賭け事に

人はいっぱい集まりません

 

野球賭博は、もともと高校野球から始まり、

プロ野球へも広がりました。

 

暴力団が胴元となり、その日の試合でどっちのチームが勝つか

をお客さんに張らせます。

 

勝った人は、胴元が「テラ銭(賭け代のようなもの)」を抜いた後

お金を受け取れます。

 

さて、当然負けたほうからはお金を取り立てなければいけませんが、

素人が胴元を行っていたらどうでしょう?

 

違法だからと法律を盾にされたり、

払われずに逃げられたりと、逆に損してしまうことが自明です。

 

暴力団であれば、力があり、資金力があり、威圧感があります。

そんな暴力団運営でもうまくいかないことが多いのか、

今では下火になっています。

 

みかじめ料

ケツ持ち、守料、用心棒代ともいわれます。

 

・お前が店を出しているのはうちが仕切っている。

 だから許可を出すから金を払え

・客でほかの組やチンピラが来たら対処してやる。

 いつでも連絡しろよ、まあだから金払え

 

という二つのニュアンスがあると思います。

 

「暴れると怖い人が出てくる」

というのはバックについてる暴力団のことだったのかもしれませんね。

 

相場は、業種によって変わります。

ソープやデリヘル、ヘルスなどの風俗、ギャンブル関係は高く、

高級クラブやキャバクラ、スナックなどは高くないです。

 

お店がグレーになるほど、収益が多くとれるので、

その分みかじめ料も高くなります。

 

 

たとえばファッションヘルスの場合一室当たり一万円くらい。

お店に10室あれば10万円。

 

カジノは50~100万が相場だが、やくざの直系が多いから

よくわからん。

 

このやりかたは、手間がいらず、回収も安定していてよさそうです。

ある地域では2000件以上もお店があり、そこの99%が

みかじめを払っているということもあるらしいです。

想像もつかないほど莫大な金額が稼げそうです。

 

しかも暴力団対策法や暴力団排除条例で払ったほうも罰せられてしまうので、

訴えられることはまれでしょう。

 

まとめ

代表的なものをあげましたがいかがでしょうか。

参考にしてみてください(何の?)

 

参考資料「暴力団」(溝口敦)

 

 

 

 

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