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【書評10】『美人過ぎるFXブロガーとZAiが造ったFX本 ファンダメンタルズ編』|経済を学びたい人はFXをやればいいのでは?

タコ足や、移動平均線など、FXにとってテクニカル分析は欠かせない。エントリーするその瞬間に見ているのはチャートである。最近実際に、買われすぎ売られすぎを表すRSIや、5分足などのチャート、ゴールデンクロスデッドクロスなどを参考にしていくと、ある程度利益が出せてしまった。

 

ただ、このままテクニカル分析だけを当てにしていくのは危なすぎることを私は知っている。なぜなら、世間で大統領選などの相場を大きく動かすようなことを知らずに、いつの間にか大暴落していた、なんてことがおこりかねないからだ。

 

実際世の中では、相場を左右する出来事が日々起こっている。それを無視して勝ち続けることはできないと察した。そこでいわゆるファンダメンタル分析について勉強しようと思った。

 

RSIRelative Strength index

→直近の一定期間で、終値をベースに上昇の動きと下落の動きのどちらの勢いが強いかを測定しようとする指標。50%を中心に0%~100%の範囲で動く。だいたい20.30%だと売られすぎ、70.80%だと買われすぎといった感じで判断できる。

 

キングオブ指標「雇用統計」

アメリカでは、「失業率」「非農業部門雇用者数」などの雇用統計(前月のもの)が、毎月第一金曜日に発表される。なぜアメリカの雇用統計が一番注目されているのか?それは、なんだかんだ世界経済の中心がアメリカで、アメリカ経済が為替を動かしているからだアメリカの景気が良くなれば世界の景気が良くなるじゃあアメリカの景気は何で判断しているのか?それが雇用統計なのである。

 

「非農業部門雇用者数」とは、農業ではない部門で働く人のことだ。なぜ農業が除かれるかというと、農業は季節によって働く人が大きく変動するからだ。雇用者数が増えればドルが買われていくだろうというおおざっぱな予測ができるが、それだけではない。

 

雇用統計は、発表と事前との予想値の差が大きいほど、相場が大きく動く。発表された数値が良かった(雇用者数が増えた)から上がるのではなく、予想と実際のブレが大きく相場を動かす。

 

発表されてから15分間はプロが反射神経で売買している。予想通りにいかないこともあるので、様子見してからトレンドに乗っても全然遅くない。雇用統計は通信社や、FX業者のホームページで確認することができる。

                                                            

為替にダイレクト「金融政策」

日本における「日銀金融政策決定会合」にあたるもので、アメリカのFOMCというものがある。アメリカの金融政策を決定する会合のことだ。年に8回、6週間ごとの火曜日に開催され、金利の変更やその理由が、声明文として発表される。

 

金利が変わればもちろん相場は大きく変動する。また変わらずとも、声明の内容に細かい変更点があればその後の金融政策動向の予想が変化するため、為替は変動し続ける。

 

そもそも金融政策とは、世の中のお金の量をコントロールして景気をコントロールすることである。「金融政策」では、中央銀行が不況時に金利を下げたりお金の量を増やしたりして景気の回復をはかったりする。好景気の場合は逆。「財政政策」では政府が税金を減らしたり公共事業を増やすことで景気回復をはかったりすること。

 

景気のいい国は金利が高いし、景気が悪い国は金利が低い。政策金利は国によって違って、金利を見ればその国の経済状態が知れる。最近のアメリカは「歴史的低金利」で、2008年のリーマンショック以降不況から本格回復しない。

 

国の経済の元気度が分かる「GDP

GDP国内総生産)とは、国内で新しく生産された付加価値を合計したもの。本では、付加価値を「儲け」と表現していてわかりやすい。材料費や人件費など500円かかって作ったジーンズを1000円で売れば、ここに500円の付加価値ができたことになる。これがGDPに加算される。

 

様々あるGDPの内容の中で、注目すべきは「個人消費支出」。個人消費の成長率が高ければ、景気が良いということになる。いくらGDPの数値が上がったといっても、国が急激に道路の生産を行っていたら判断には使えない。GDPの総額だけでなく、内訳をみることが大切になってくる。

 

ちなみにアメリカのGDPの全体の70%は個人消費。日本の個人消費55%。アメリカは世界の3割近くのGDPを占めているので、ここでもアメリカのGDPが大切なのは言うまでもない。

 

感想:ニュースが読めるようになって楽しいという副産物

FXで勝とうと思うと、経済の勉強が欠かせない。上記のように、景気を左右する指標や発表についていろいろ知ることができて良い。また、よく言われているがこれらのことは株などのほかの投資にも生きるし、景気を追うことで各国の状態が分かってすごく役に立つ。経済を勉強したい人はFXを始めることが効果的な気がする。