汲めども尽きぬ知恵の泉

「武器はこの身ひとつ」を目指して

【書評22】「チョコレート検定(公式テキスト)」|今のチョコがあるのは彼らのおかげだった!

 

この世の中万事に歴史があります。

チョコレートもしかり。

 

チョコレートには4大発明と呼ばれるものがあり、

進化を経て今の美味しいチョコレートへと進化してきました。

 

そして、実はあなたが今おいしいチョコレートを楽しめるのは

良く名前を聞く「あの人物」のおかげだったりするのです。

2人の有名な名前を紹介したいと思います。

 

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バンホーテン

かつてのチョコレートは、「ショコラトル」という飲み物でした

ザラザラしてドロッとした口当たりで、

トウモロコシやトウガラシなどを混ぜたスパイシーな味という、

現在とはかけ離れた姿です。

 

ショコラトルは当時疲労回復や強精、長寿効果があるものとして

重宝されていたため、一部の王侯貴族しか飲めないものでした。

 

そして、スペインの宮廷で飲まれていたこの飲み物は、

苦みなど飲みにくさを改善するためさまざま、試行錯誤がされてきました。

 

結果、砂糖やミルクを入れることで格段においしくなった

チョコレート飲料でしたが、まだ問題点がありました。

 

それが、

・カカオに含まれる油脂分(カカオバター、カカオ豆に55%ほど含まれる)

 が水やミルクと混ざりにくく飲みにくい。

・カカオ豆には発酵する工程があり、それによってできる酸(酢酸などの有機酸)

 がすっぱすぎる、においが強烈。

 

この2つでした。

 

そしてこれらを解決したのがココアで有名な

「クンラート・バンホーテン」です。

 

コンビニやスーパーなど、どこにでも目にする

おいしいココアで有名な、バンホーテン社の創設者です。

 

まず、油脂分の問題に関しては、

ココアバターを取り除く圧搾機を開発しました。

 

本来、すりつぶしてできたカカオペーストには

55%のココアバターが含まれていますが、

彼の開発した圧搾機は25%まで減らすことができます。

 

こうやってバターを搾り取り、残った固形分を細かく砕いて粉末にしたものが

「ココアパウダー」です。

ココアパウダーは油脂が少ないのでお湯と混ざりやすくなりました。

 

酸味に関しては、アルカリで中和し、刺激や渋みまでも減らす

「ダッチプロセス」という処理方法で解決しました。

 

味がマイルドになるこの方法は現代でもココア製造法の

基本として本質的には変わっていません。

 

これらのように、良く知られるバンホーテンはチョコレートの歴史を

大きく進歩させました。

 

国際標準となった画期的な“ダッチ プロセス”

バンホーテンは、まず焙炒したカカオ豆を絞ってココア バター(脂肪分)を取り除き、ココア ケーキを作り出しました。 次に、このケーキを細かく粉砕してココア パウダーの製造に成功。水とのマッチングを飛躍的に高めました。さらに、酸性が強いカカオ豆にアルカリを加えることにより、パウダーを中性に近づけ、極めてまろやかで飲み心地のよいココア パウダーの製造をも可能にしました。このアルカリゼーション工程は、「ダッチ プロセス」と呼ばれ、現在も世界のスタンダードとして広く採用されています。(公式より

 

 

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リンツ

 

あの丸いチョコレートで有名な「リンツ」も、

今のチョコレートを作り出した偉人のひとりです。

 

四大革命の最後の一つをおこしたのが彼で、それが

「コンチング」といわれる製造方法です。

 

バンホーテンのココアパウダーから始まり、

      ↓

かじって食べるイーティングチョコレート

      ↓

粉ミルクの出現によるミルクチョコレートの誕生  

 

と、ここまで3つの発明を経たチョコレートでしたが、

ザラザラとしていてくちどけも悪く、なめらかさとは程遠いものでした。

 

1897年、スイス人の「ロドルフ・リンツ」は偶然により

チョコレートの砂糖やカカオの粒子を非常に細かくすることに成功しました。

 

まず、チョコレートの製造工程にはココアバターを均一行き届かせる

コンチェ」という作業があります。

 

リンツは、彼独自の容器で、チョコをコンチングしており、

その機械をつけっぱなしにして帰ってしまった結果、

あとからチョコレートが非常に滑らかになっている発見をしました。

 

固体の粒子が細かくなることで、ざらつきを感じなくなり、

水分が蒸発されることで流動性も増しました。

 

コンチェとはスペイン語で貝のことで、リンツの使っていた容器が

コンチ貝に似ていることから名づけられました。

 

コンチングという今でもチョコレートにとって必要不可欠な工程は、

リンツによって生み出されたものであり、

今のようなすばらしい口当たりのチョコレートを食べれるのもそのおかげです。

 

リンツのチョコレートは今ではどこの国に行っても食べられるほど

世界的に有名で、日本でも店舗数が増えています。

 

純粋にチョコレートの美味しさを極めたもので、

真のチョコ好きが最終的に行き着くのはここだと感じます。

 

 

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恩恵を受けられることに感謝して

普段何気なく目にしている名前が、歴史的な進化にかかわっていて

驚きました。今のようなすばらしいチョコレートを食べられることに

感謝します。

 

バンホーテンココアや、リンツのチョコを見かけたときは、

「あ、チョコの革命を起こした人だ」と思いを巡らせてみてください。