なぜワインにとって「渋み」が大切なのか?
ワインを初めて口にしたとき、「飲みづらい!」と感じる人は少なくないと思います。
ワインに対して苦手意識を持っている人や、あまり好まない人びとの多くは、
この「渋味」が原因だったりします。
しかし、「渋味」は、ワインにとって非常に重要なのです。
理由のいくつかを簡単に説明していきます。
まず、「渋味成分」は抗酸化物質(酸化するのを防ぐ物質)です。つまり、これを多く蓄えるほど、長期保存に耐えることができます。たとえば、高級ワインで有名なボルドーの五大シャトーなんかは、若いうちは渋味がとても多く、飲みにくいのです。
そのため、何十年にもわたって熟成させるのですが、
長期保存することでどんなことが起こるのでしょうか。
ひとつは、強かった渋みの角が取れてまろやかになります。
ほかに、熟成が進むことで新しい香りを生み出します。
しかし、もともと強固だった渋味成分はしっかりとした骨格へと変身し、
ワイン自体の味わいを底上げします。
つまり、ワインにとって渋みとは、
高級ワインを作り上げるためにかかせないポテンシャルなのです。
ワインの渋味は、品種によって違ったり、土地や作り方で変わってきます。
また、小粒なブドウであるほど、渋いワインが出来上がります。
渋味成分は皮や種に多く含まれているので、小粒であればあるほど
果実の体積に対する皮や種の面積の割合が大きくなるからです。
また、日当たりがいいところで育つとブドウの色は濃くなり、皮が厚くなります。
今日から、渋みを嫌うことはできなくなりましたね。
ワインを飲む際は、渋味にも想いを馳せて楽しんでください。