汲めども尽きぬ知恵の泉

「武器はこの身ひとつ」を目指して

【書評20】『教団X』中村則文|総合的な知識がついて良き

絶対的な闇、圧倒的な光。「運命」に翻弄される4人の男女、物語は、いま極限まで加速する。米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)年間ベスト10小説、アメリカ・デイヴィッド・グーディス賞を日本人で初受賞、いま世界で注目を集める作家の、待望の最新…

生と死について、ひさびさに考えた

生と、死。 大多数のひとはこの二つの状態を、対極に置くと思います。正反対のものだと。 自分も当たり前のようにそう思っていたし、疑う余地もないように考えていたが、実はそうではないらしいと、自分の中で変化してきた。 私の中で生と死は、対義語ではな…

「聞き上手」で人たらしに|古典から学ぶコミュ力

人の話を聞くことがうまいことは、話しがうまいことよりも強いです。 これはテレビや雑誌などでたびたび語られており、実際にそうだと感じている人も多いと思います。 私は最近家にある本を読み返しており、この「聞き上手」ということについて、実に多くの…

稼げる系、出会い(エロ)系のツイッターアカウントがはこびっているのはなぜか?|「アングラ」ブログ開設にあたって

ツイッターをしている人なら必ず一度は目にしていると思われる、「稼げます」系のアカウント。 あるいは、「ここに飛んでくれれば女の子とヤれますよ」という文字。 ◯なぜこんなにもおびただしい量の、こういったアカウントが存在しているのでしょう? 話を…

【書評19】「言葉・狂気・エロス」丸山圭三郎|プロ、アマなんて人間の言葉遊び

1.世界では境界がなくなってきている 音楽の世界を例にしましょう。過去のバンド、音楽家はコンテストやオーディションを受けるか、音楽学校に通うなど、いわゆる「プロ、人気者」になるにはこれらを経てからでなければいけませんでした。 しかし、YouTubeか…

就活に苦しむ同士達へ

今、就活をしている。 あまりたくさん受けているわけでもなく、全然真剣じゃないけど、落とされるのはメンタルにくる。 今就活をしている人たちは、同じように、あるいはもっと苦しい思いをしているはず。そしてこれが一番怖いはずだ。 「1社も受からなかっ…

【書評18】『掏摸』中村文則|善悪とはそもそも存在しないのではないか?

あらすじ お前は、運命を信じるか?東京を仕事場にする天才スリ師。彼のターゲットはわかりやすい裕福者たち。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎-かつて一度だけ、仕事を共にしたことのある、闇社会に生きる男。木崎はある仕事を依頼してき…

「実需」と「投機」とは?これだけ知ればOK

投機筋のプレイヤー 外国為替市場に参加し、取引している人たちの中に、 「機関投資家」という人たちがいる。 まず銀行。キャピタルゲイン(為替差益)の獲得を目指して、 自己資金を使って為替取引を行っているが、これをディーリングという。 よく聞くイン…

【書評17】『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』藤由達蔵|成功する人間の共通点は「行動力」

この本の主張はシンプルだ。 「行動する者だけが人生を変えられる。より良い方向に持っていける。」 「10秒以内に動け」 ただ、考えること、学ぶことができても、それを実際に行動にできる人はごくわずかだ。また、理解しても、それを現実の行動に起こせなけ…

【書評16】『解剖学教室へようこそ』養老孟司|名前を付ける=ものが切れる

「ことばというレッテル」を貼り付ける モノには、名前がついている。木は木。イヌはイヌ。家は家。誰が決めたかは分からないが、ともかく誰かが、こういう名前を付けた。 人は、ことばを使うようになってから、ありとあらゆるものに名前を付けまくった。つ…

【書評15】『ことばと文化』鈴木孝夫|「ことば」が「モノ」よりも先にある?

ことばがモノを在らしめる 前回の書評で、人々は世界を分けて区別、理解しているということを紹介した。それでは、人間は何を使って世界を分けているのか、それは「ことば」である。 この世に存在するすべてのモノ、またモノだけでなく動きなど無形のものな…

FXで強制退場を喰らい(笑)60000円消える|報告と反省

ちょうど一か月目にして強請退場 最近書評しか投稿してなかったが、面白いことがあったので書き留めておくことにした。ちょこちょこと手を出していたFXについてだ。自分自身の振り返りと、皆様の参考になれればということで。 1月25日に海外口座でFXをスター…

【書評14】『世界は分けてもわからない』福岡伸一|なぜ勉強するのか?

人々は物事を分けて考えている 歴史でも生物でもそうだが、人々は物事を理解しやすくするために区別し、枠組みを作る。例えば、ここからここら辺までが白亜紀、何年から何年くらいまでがカンブリア紀、といった具合に。 また、縄文時代、弥生時代といった枠…

【書評13】『明治の人物像』星新一|努力し、なお努力する

本を読み始めたきっかけが小学校の時出会った星新一のショートショートである。今でもショートショートが好きだが、それに劣らず星さんの長編が好きである。『声の網』『人民は弱し 官吏は強し』など名作が多い。 今回の『明治の人物像』だが、これは星新一…

【書評12】『好きなことだけで生きていく。』堀江貴文|まずは行動、とりあえず行動

行動力こそ価値がある 真っ先に行動を起こす人間は、良い意味でバカが多い。リスクを小利口に計算せず、しようともしないバカさ加減がイノベーションを生み出す。その先に成功があろうが失敗があろうが、どちらからも学びがある。 そもそも失敗したところで…

【書評11】『国境の南、太陽の西』村上春樹|

自分の中の繊細な部分を表現してくれる 村上春樹を初めて知り、引きつけられた原因はこの『国境の南、太陽の西』だ。たしか高校の時の国語の模試かなんかで、この本の一節が引用されていた。そしてその中の一部に衝撃的な共感を持った、という感じでこの本を…

【書評10】『美人過ぎるFXブロガーとZAiが造ったFX本 ファンダメンタルズ編』|経済を学びたい人はFXをやればいいのでは?

タコ足や、移動平均線など、FXにとってテクニカル分析は欠かせない。エントリーするその瞬間に見ているのはチャートである。最近実際に、買われすぎ売られすぎを表すRSIや、5分足などのチャート、ゴールデンクロスやデッドクロスなどを参考にしていくと、あ…

【書評9】『~1日3度のチャンスを狙い撃ちする~待つFX』|勝負事には適した時がある

最近海外で講座を開いて、FXを始めた。もともと投資に興味があったのと、就活というものからの現実逃避だ。始めるからには勝ちたいし、勉強という意味を込めて、10冊くらい投資に関係する本を読んだ。そのうちの一冊の気に入った内容をアウトプットしていき…

【書評8】『脳には妙なクセがある』池谷裕二|人がブランドに動かされる理由とは

直観的にイメージで判断する脳 前回の『不合理な地球人』では、人の間違った判断について経済的な視点から触れたが、今回は脳科学からだ。 有機栽培、オーガニック食品という言葉を頻繁に目にする。こういったフレーズを見るとついひかれてしまう。健康に良…

【書評7】『不合理な地球人』ハワード・S・ダンフォード|合理的に考えているようで実はそうではない人びと

人間は限定的に合理的である。 合理的というと、冷静で冷たい、非感情的など負のイメージが出てくる人もいるかもしれないが、いったんそういった考え方はどこかに追いやってほしい。 合理的であることは、投資や仕事といったことだけに必要とされるものでは…

【書評6】『本は10冊同時に読め!』成毛眞|”その他大勢”から抜け出す生き方

「速読」かつ「多読」の読書術 題名となっている、「10冊同時に本を読む」こと自体は簡単だ。成毛さんが言うには、リビングやトイレ、通勤用カバン、ベッドなど、さまざまな場所に本を用意し、その場所によって読む本を変えるというものだ。そんな感じで、一…

【書評5】『星の王子さま』サン・テグジュペリ|いちばんたいせつなことは、目に見えない

外見は大切ではないが利用できる あるトルコの天文学者が、発見した小惑星について会議で発表した。しかし、彼の発表はそのときの服装のせいで認められることはなかった。数年後、今度は洗練されたスーツで全く同じ発表をしたところ、全員に認められた。とい…

【書評4】『わけあって絶滅しました。』丸山貴史|99.9%の生き物はすでに滅びている?

生き物が絶滅する要因 1、環境の変化 人間のせいでさまざまな生き物が絶滅しているような印象があるが、大きな目で見ると規模は小さい。地球上に生まれてきた生き物のうち、もうすでに99.9%の種が絶滅しているが、そのほとんどの原因が環境の変化による。 …

【書評3】『すべての教育は「洗脳」である』堀江貴文|常識から解放されよう、やりたいことをやろう

貯金的思考の人びと 学校教育で学ぶ、いや学ばされている内容というのは、「いざという時」のためで、役に立つのか立たないのか分からない。やりたいことがあっても、いざという時に備えて我慢しなさい。という大人たちの理屈で機会をつぶされ、我慢を強いら…

【書評2】『緋色の研究』コナン・ドイル|シャーロックホームズの第一作

推理分析は多くのことをもたらしてくれる ホームズは、自身についてでもある以下のような記事を新聞に載せている。 観察力に富む人間は、多くのことを学ぶことができる。ある一つの提示されたモノから、見たり聞いたりしたことがないものの存在を推定、想像…

【書評1】『億男』川村元気|人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金。

お金持ちになりたいと心から願っているのか? 「学問のすゝめ」の有名な一説、『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。』「億男」の主人公とおなじく、多くの人はこの文の意味を「人間は平等」的な意味だと思っているが、実は違う。この文には続きが…

星新一のショートショートの世界⑦「ほほえみ」

あたしはなぜ、こんなところに立っているのかしら、と、その女は思った。 これはどこへ行く道?いくら考えてもわからなかった。 そのうち一台のバスがやってくる。あれに乗ればいいんだわ。 行くべきところに運んでくれるでしょう。 停車したバスに乗る時、…

まずはこの品種を知ろう|ワインの女王「カベルネソーヴィニヨン」とは?

ワインを理解するには品種を知ることが必要です。実際にお店でのテイスティング、ワインを購入する、レストランでのワインリストからチョイスなど、さまざまなところで役に立ちます。ブドウ品種を知り、それぞれの個性を掴むことは、ワインの楽しさを広げて…

星新一のショートショートの世界⑥「新発明のマクラ」

概要 エフ博士は眠っていても勉強ができるマクラを発明した。 「やれやれ、何とか大発明が完成した」 と博士が声を上げると、聞きつけたおとなりの家の主人がやってくる。 電子部品がきっちり詰まったそのマクラは、知識を蓄えており、 電磁波の作用によって…

卵の健康効果がすごい|毎日食べたい食品のトップレベル

「一日一個まで」の教えは古い! 卵が一日一個まで、といわれるようになった根拠は、ウサギを使った実験でした。ウサギにコレステロールを与えたところ、動脈硬化を引き起こしたというものです。 ただ、ウサギは草食動物で、そもそも肉などからコレステロー…