汲めども尽きぬ知恵の泉

「武器はこの身ひとつ」を目指して

【書評12】『好きなことだけで生きていく。』堀江貴文|まずは行動、とりあえず行動

行動力こそ価値がある

真っ先に行動を起こす人間は、良い意味でバカが多い。リスクを小利口に計算せず、しようともしないバカさ加減がイノベーションを生み出す。その先に成功があろうが失敗があろうが、どちらからも学びがある。

 

そもそも失敗したところで失うのは他人からの評価、世間体、少しのお金なんていった小さなプライドや損失に過ぎない。他人はあなたのことなんて真剣には見ていないし、失態なんてものも時間がたてば気にしない。

 

とにかく有能であることよりも、行動力や瞬発力にあふれ、やる気に満ち溢れていることが大切だ。初めて見て何か問題があれば、その都度修正、工夫、改良、解決していけばいいだけのことだ。

 

副業という時点でたかが知れている

ひとつだけではなくいろいろなことをする、あるいはそこからプラスの収入を得る。本業という「念のため」を確保しつつほかのことにもチャレンジしてみる。こういった考え方は他の人より一歩抜きんでていると考えていた。

 

ただ堀江さんは数段階上でものを考えている。いざという時のためという保険的で、世間体を考えて本業にしがみついている時点で逃げであり、副業という本当にやりたいはずであることのクオリティもそれへのエネルギーもたかが知れている。

 

「安定した本業」を捨て退路を断つことで、副業へ注ぐ時間やエネルギーは増えていく。つまらない本業について「つまらない」「しんどい」など居酒屋でグチるエネルギーも節約できる。このように理論的にも成功する確率は高くなる。

 

働かない=悪は間違い

国からお金をもらっているニートに対して大半の人は怒りを覚えるだろう。ただそれは逆だ。働かない人が増えれば、企業の労働力への需要が増え、多少高くても人を雇うしかない。

 

そもそもみんな働きすぎなのだ。労働力が市場に過剰に供給され続けているから、いつまでたっても労働力の価値が上がらない。デキる人は働いて高給をもらい、そうでない人は国からお金をもらう。極端な話だが悪い話ではないと思う。国と企業がお金を吐いてくれる。

 

時代が資本主義の時点で企業がお金を蓄えるために人件費を抑えるのは当たり前の話だし、そもそも国が教育などで働くよう仕向けている。特に日本人は勤勉であることが美徳とされすぎていて、それについて疑問を抱きすらしない。

 

http://学校について疑問に思ったら

まとめ

堀江さんは世間から賛否両論あるが、自分にとってはモチベーション維持や脳の切り替えに多大なものを与えてくれる。最先端な考え方に触れ、最先端なものを知り、自分では思いつきもできない考え方をもたらしてくれる。

 

とにかく考え方が新しい。本人からすればほかの人が異常に見えて仕方がないだろうが。自分にとっては希望をもたらしてくれる存在である。

 


 

 

【書評11】『国境の南、太陽の西』村上春樹|

自分の中の繊細な部分を表現してくれる

村上春樹を初めて知り、引きつけられた原因はこの『国境の南、太陽の西』だ。たしか高校の時の国語の模試かなんかで、この本の一節が引用されていた。そしてその中の一部に衝撃的な共感を持った、という感じでこの本を知り、村上春樹にハマった。今でもたまに読み返し、自分に何とも言えない気持ちを思い起こすその一文がこれだ。

 

「そして僕は長いあいだ、彼女に対して僕の心の中の特別な部分をあけていたように思う。まるでレストランの一番奥の静かな席に、そっと予約済みの札を立てておくように、僕はその部分だけを彼女のために残しておいたのだ。島本さんと会うことはもう二度とあるまいと思っていたにもかかわらず。」

 

一人の人間に対して、ある程度長い期間その人を思い続けることで得られるものだ。自分の体験や感情を挟もうとすると恥ずかしいことになるので避けるが、この文に深く共感できる人が一定数いると思う。「レストランの~」から始まる表現が、この現象に非常にピッタリとしていて感動を覚える。

 

自分が抱くこの感情、体験するこの現象に対して、これ以上的確な表現や例えとは一生出会えないと思わせる。

 

感情などといったものは、一種の幻やフィーリング的要素が強くて、的確に表現することは難しい。また、表現しようと文章に起こしてみても、うまくできなかったり納得いかなかったりすると思う。

 

村上春樹は、そういった感情などという極めてあいまいなものを、文章として、ここまでリアティをもって表現しているところがすごい。

 

登場する女性に含まれる霊的な何か

ノルウェイの森』や『海辺のカフカ』といった作品で、主人公が愛情を抱く女性たちには、霊的な何かが共通している気がする。うまくいえないが非現実的な、霊的な何かを感じさせることがある。

 

まだ村上春樹を知ってから日が浅いので、何ともうまく言えない。ひとつの作品を読んだときに靄っとしたものが残ったときは、ほかの作品を読んでみると理解の助けになるかもしれない。

 

とにかく今回は上の一節が大好きだということを伝えたかった。

 

 

※文章があいまいなのと、村上春樹のファンで不快に思った方がいたら申し訳ないです。

 

 

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【書評10】『美人過ぎるFXブロガーとZAiが造ったFX本 ファンダメンタルズ編』|経済を学びたい人はFXをやればいいのでは?

タコ足や、移動平均線など、FXにとってテクニカル分析は欠かせない。エントリーするその瞬間に見ているのはチャートである。最近実際に、買われすぎ売られすぎを表すRSIや、5分足などのチャート、ゴールデンクロスデッドクロスなどを参考にしていくと、ある程度利益が出せてしまった。

 

ただ、このままテクニカル分析だけを当てにしていくのは危なすぎることを私は知っている。なぜなら、世間で大統領選などの相場を大きく動かすようなことを知らずに、いつの間にか大暴落していた、なんてことがおこりかねないからだ。

 

実際世の中では、相場を左右する出来事が日々起こっている。それを無視して勝ち続けることはできないと察した。そこでいわゆるファンダメンタル分析について勉強しようと思った。

 

RSIRelative Strength index

→直近の一定期間で、終値をベースに上昇の動きと下落の動きのどちらの勢いが強いかを測定しようとする指標。50%を中心に0%~100%の範囲で動く。だいたい20.30%だと売られすぎ、70.80%だと買われすぎといった感じで判断できる。

 

キングオブ指標「雇用統計」

アメリカでは、「失業率」「非農業部門雇用者数」などの雇用統計(前月のもの)が、毎月第一金曜日に発表される。なぜアメリカの雇用統計が一番注目されているのか?それは、なんだかんだ世界経済の中心がアメリカで、アメリカ経済が為替を動かしているからだアメリカの景気が良くなれば世界の景気が良くなるじゃあアメリカの景気は何で判断しているのか?それが雇用統計なのである。

 

「非農業部門雇用者数」とは、農業ではない部門で働く人のことだ。なぜ農業が除かれるかというと、農業は季節によって働く人が大きく変動するからだ。雇用者数が増えればドルが買われていくだろうというおおざっぱな予測ができるが、それだけではない。

 

雇用統計は、発表と事前との予想値の差が大きいほど、相場が大きく動く。発表された数値が良かった(雇用者数が増えた)から上がるのではなく、予想と実際のブレが大きく相場を動かす。

 

発表されてから15分間はプロが反射神経で売買している。予想通りにいかないこともあるので、様子見してからトレンドに乗っても全然遅くない。雇用統計は通信社や、FX業者のホームページで確認することができる。

                                                            

為替にダイレクト「金融政策」

日本における「日銀金融政策決定会合」にあたるもので、アメリカのFOMCというものがある。アメリカの金融政策を決定する会合のことだ。年に8回、6週間ごとの火曜日に開催され、金利の変更やその理由が、声明文として発表される。

 

金利が変わればもちろん相場は大きく変動する。また変わらずとも、声明の内容に細かい変更点があればその後の金融政策動向の予想が変化するため、為替は変動し続ける。

 

そもそも金融政策とは、世の中のお金の量をコントロールして景気をコントロールすることである。「金融政策」では、中央銀行が不況時に金利を下げたりお金の量を増やしたりして景気の回復をはかったりする。好景気の場合は逆。「財政政策」では政府が税金を減らしたり公共事業を増やすことで景気回復をはかったりすること。

 

景気のいい国は金利が高いし、景気が悪い国は金利が低い。政策金利は国によって違って、金利を見ればその国の経済状態が知れる。最近のアメリカは「歴史的低金利」で、2008年のリーマンショック以降不況から本格回復しない。

 

国の経済の元気度が分かる「GDP

GDP国内総生産)とは、国内で新しく生産された付加価値を合計したもの。本では、付加価値を「儲け」と表現していてわかりやすい。材料費や人件費など500円かかって作ったジーンズを1000円で売れば、ここに500円の付加価値ができたことになる。これがGDPに加算される。

 

様々あるGDPの内容の中で、注目すべきは「個人消費支出」。個人消費の成長率が高ければ、景気が良いということになる。いくらGDPの数値が上がったといっても、国が急激に道路の生産を行っていたら判断には使えない。GDPの総額だけでなく、内訳をみることが大切になってくる。

 

ちなみにアメリカのGDPの全体の70%は個人消費。日本の個人消費55%。アメリカは世界の3割近くのGDPを占めているので、ここでもアメリカのGDPが大切なのは言うまでもない。

 

感想:ニュースが読めるようになって楽しいという副産物

FXで勝とうと思うと、経済の勉強が欠かせない。上記のように、景気を左右する指標や発表についていろいろ知ることができて良い。また、よく言われているがこれらのことは株などのほかの投資にも生きるし、景気を追うことで各国の状態が分かってすごく役に立つ。経済を勉強したい人はFXを始めることが効果的な気がする。

 


 

【書評9】『~1日3度のチャンスを狙い撃ちする~待つFX』|勝負事には適した時がある

最近海外で講座を開いて、FXを始めた。もともと投資に興味があったのと、就活というものからの現実逃避だ。始めるからには勝ちたいし、勉強という意味を込めて、10冊くらい投資に関係する本を読んだ。そのうちの一冊の気に入った内容をアウトプットしていきたい。

 

多くの人がなんとなくエントリーしがち

買いでも売りでも何かしら注文を入れ、ポジションを持つことをエントリーという。多くの人は、根拠もなく、深く考えずにエントリーしがちらしい。最初の2,3日でたまたまうまくいってしまう人は余計そうなる。

 

「なんとなく上がるだろう」こんな気持ちでエントリーしていては、メンタル的に良くない。自分のエントリーに根拠や自信がなければ、一時的に含み損が出た時に耐えきれなくなってしまう。また考えずにエントリーをしていても、いつまでたっても成長することができない。

 

利益が出て成功したとき、あるいはその逆でも、根拠や理由がなければ振り返ることや反省ができない。どうしてそうなったのか、何がいけなかったかを振り返ることなく、次に走ってしまう。生き残るために、勝っていくためにも、根拠のない勝負は避けよう。これは投資だけの話でもない。

 

トレードは活発な時間帯に

トレードが活発ではない時間帯では、価格がたくさん変動しない。その分自分の目標に達成しづらかったり、長い時間がかかったりと、効率が良くない。また、メンタル的にも良くない。

 

価格の変動がすくなくて思うようにいかないからだ。一回損が出た時に、後々に上がる自信があっても、長い時間待ち続けるのは精神的にきつい。

 

相場が一番活発な時間帯は、日本時間で23時から1時(25時)くらいだ。これは、経済の中心であるアメリカの市場がオープンする時間だからである。

 

たいやきの頭と尻尾はくれてやれ

一見、「一番安い時に買って一番高くなったら売る」というのが理想のように思える。ただ、実際こんなことは不可能だ。望みすぎている。上がり始めたら買う、上がりきらないところで売る、これができれば上出来で、おいしいところを獲得できている。

 

端から端まで取るなんてことは不可能だ。相場は自分のための動いているわけでは決してない。あと少し上がってから、なんていうのは大事な機会を逃す原因だ。動きを後から見た時に、もう少し待ってたらもっと稼げてたな、と思うかもしれないが、動いている今その時にそれを知ることはできないのだ。

 

 まとめ:FXは総合してやってみる価値のあるものである

まだまだ初心者なので、ぼんやりと全体像を見ながら勉強しているが、FXは学べることが多くて面白い。相場の変動は、いろいろな要素によって変動する。例えば雇用統計や、失業率、財務大臣の発言など様々だ。FXを勉強していると、自然と経済の動向を追うことができるし、いろいろな経済的ことがらを学ぶことができる。まだまだ序の口だが、手を出してみて良かったと感じている。

 

 


 

【書評8】『脳には妙なクセがある』池谷裕二|人がブランドに動かされる理由とは

直観的にイメージで判断する脳

前回の『不合理な地球人』では、人の間違った判断について経済的な視点から触れたが、今回は脳科学からだ。

 

有機栽培、オーガニック食品という言葉を頻繁に目にする。こういったフレーズを見るとついひかれてしまう。健康に良さそうだ。ところが様々な方面から

 

「昔ながらの伝統的な栽培法がベターな保証はない」

「農薬を使わない自然派野菜が優れていると感じるのは妄想に過ぎない。しかるべきところでしかるべき農薬を使わないと、かえって健康に悪い農作物もできうる。」

「オーガニック食品が健康によいという科学的根拠はいまだに欠如している。」

 

などという声もあるのだ。マーケティング的要素がふんだんにあるのもひとつ事実だ。農薬だけではない。遺伝子組換食品、人口保存料、水道水など、科学的な面や深い知識もなく、先入観だけで悪い印象をわたしたちは持ちがちである。

 

見えないものにダマされる脳

先入観にかかわる「ブランド」に対して面白い実験がある。ワインを味わう時の脳の反応をMRIで調べたというものだ。まず、ワインを飲むと「内側眼窩前頭皮質」という脳の部位が活動するが、これは知的快楽を生み出す部位だ。つまり、おいしいワインを飲むことは快感なのだ。

 

被験者に、「5種類のワインを飲み比べてほしい」とつたえ、それぞれのワインの値段も告げる。実際には三種類しかなく、値段もデタラメであるが、感想を聞くと値段の高いものがおいしいという。しかもMRIで脳を見てみると、教えられた値段が高ければ高いほど、内側眼窩前頭皮質の活動が活発になっていたのだ。

 

食事の「おいしさ」が科学分化だけで決まるものではなく、「高級なものを食べているという」実感、先入観も大きくかかわっているというわけだ。ブランド、オーラ、ムード、そういった見えざるモノに(科学的にも)動かされるようにヒトの脳はデザインされているのだ。

 

 

ほかにも「知ったかぶり」や「運まかせ」といった人がやりがちな行為を、脳科学を根拠に26トピック紹介されている。それにしても人のことを知っていくのはおもしろい。

 

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